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【WBSCプレミア12】強化試合チェコ代表との試合の前に読んでほしい。チェコ代表について

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侍ジャパン
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2024年11月9日、10日にWBSCプレミア12の強化試合としてチェコ代表と試合があります。
今回は2023年に開かれたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で注目を集めたチェコ代表について、その背景や日本戦に向けた挑戦の軌跡をご紹介していきます。
日本の野球ファンにとってはあまり馴染みがないかもしれないチェコ代表ですが、彼らが見せた熱意やスポーツマンシップ、そしてその歩みには誰もが胸を打たれるはずです。
彼らがなぜ「野球大国・日本」と戦うことを夢見、そして叶えたのか、その物語をじっくりとご覧いただきたいと思います。

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チェコ野球の現状:国民の認識と競技人口

まず、チェコという国の野球事情について少し触れてみましょう。
チェコ共和国と聞くと、多くの人がサッカーやアイスホッケーを思い浮かべるでしょう。
そう、チェコでは野球はまだまだ非常に「マイナーなスポーツ」なのです。
チェコ国内の野球人口は約7000人と言われており、これはサッカーやアイスホッケーの競技人口とは比べ物にならないほど少ない数字です。

また、チェコの人々の中には、そもそも「WBCにチェコ代表が出場すること」すら知らなかったり、「野球」という競技そのものにあまりなじみがない方も多いといいます。
実際にWBCが開催される前、チェコで街頭インタビューをしても「WBCって何?」「チェコが出場するの?」といった反応が少なからずありました。
こうした背景の中で、チェコの代表選手たちは地元で注目されることなく、自分たちの熱い想いだけで野球を続け、地道にレベルを上げてきたのです。

野球のマイナー競技からWBC出場へ:チェコ代表の成長

チェコ野球の発展には、幾多の苦労が伴いました。
まず、国内にはプロリーグは存在せず、アマチュアリーグが細々と行われている状況です。
また、チームによっては月にわずか数万円程度しか給料が支払われず、野球だけで生活できる選手は皆無。
選手たちの多くは本業を持ちながら、限られた時間で野球に打ち込んでいます。

例えば、チェコ代表の主将であるマレク・ジーマ選手は、金融トレーダーとしての仕事と野球を両立している一人です。
日中は株価の動向を見守り、夜や週末に野球の練習に励む日々を送っています。
チームのエースであるオンドレイ・シュナイデル投手は消防士として働き、練習のために3日に1回は仕事を休まなければならないほどです。
そして、監督を務めるパベル・ハジム氏は、元プロ野球選手ではありますが、なんと神経外科医という本職を持ちながら選手たちを指導しているのです。
このように、チェコ代表の選手たちは「職業野球人」としてではなく、「野球への情熱」を持って日々鍛錬に励んでいます。

こうしたアマチュア選手たちの奮闘が功を奏し、チェコ代表は少しずつ国際舞台での成果を上げていくようになりました。
そして、昨年のWBC予選では、敗者復活戦でスペイン代表を打ち破り、ついに初めての本戦出場を勝ち取ります。
彼らの長年の努力が実を結び、チェコ国内でも「野球というスポーツが国際舞台に通用する」という希望を感じる人々が増えてきたのです。

日本戦への準備と強化合宿:困難を超えた意気込み

初めてのWBC本戦出場が決まったチェコ代表にとって、心に強く刻まれていたのは「日本戦に挑む」という大きな目標でした。
日本は野球大国であり、多くのMLBプレイヤーを輩出する国。
チェコの選手たちにとって、日本の野球は憧れであり、夢のような存在でした。
そのため、「強豪国・日本と対戦する」という経験そのものが彼らにとっては特別な意味を持っていたのです。

選手たちは本業の仕事を休み、仕事の合間を縫って練習に励みました。
しかし、その準備期間は十分とは言えず、さらにはメンバー全員が来日できたわけではありません。
なぜなら、国内リーグで打率上位の選手たちが、有給休暇が取れず日本に来ることが叶わなかったからです。
それでもチェコ代表は、日本の宮崎で地元の大学や独立リーグのチームと親善試合を行いながら準備を進めていきました。

宮崎での合宿中、選手たちは限られた時間の中でコンディションを整え、さらに試合への熱意を高めていきました。
選手たちがオフの時間に笑顔ではしゃいでいる様子は、チェコ野球協会のSNSにも投稿されました。
その姿は、野球を通じて新しい文化や経験に触れることへの喜びに満ち溢れていました。

やがて、チェコ代表は調整を終えて東京に到着します。
そして、試合前日の公式練習のために東京ドームへ足を踏み入れました。
ここで彼らを待っていたのは、人生で初めて見る巨大な屋内球場の光景でした。
クラブハウスからフィールドに向かう通路を抜け、広がるグラウンドを目にした瞬間、選手たちの目は輝き、天井を見上げる姿が印象的でした。
スマホを片手に記念撮影をしたり、球場全体の様子を動画で撮影する選手たちの姿からは、この東京ドームでの経験を心から楽しみ、感動している様子が伝わってきました。

その後、キャプテンであるマレク・ジーマ選手は会見に臨み、「僕たちはこんなに大きな球場で野球をするのも、屋根付きのスタジアムでプレーするのも初めてだ」と興奮した表情で語りました。
しかし、試合に臨む覚悟も忘れておらず、「僕たちはここで勝つためにやってきた」と力強く意気込みを語り、会場は静かな緊張感に包まれました。

エースのシュナイデル投手もまた、30年間続けてきた野球への思いを語りました。
幼少期から抱いていた「いつかメジャーリーガーになりたい」という夢は、野球がマイナーなチェコでは極めて難しいものでした。
しかし彼にとって、WBCは「自分たちにとってのメジャーリーグ」だと語り、この舞台で戦えることがいかに特別なことであるかを強調しました。
また、チェコ国内での野球人気がこの大会を通じて高まることを願っているとし、「僕たちはプロのつもりで戦うよ」と、改めてWBCに臨む決意を示しました。

日本の野球ファンからも、チェコ代表のこの一生懸命さに胸を打たれる声が多く寄せられました。

WBSCプレミア12の強化試合として2024年11月9日と10日にバンテリンドーム ナゴヤで試合があります。
チェコ代表について知ってもらったうえで強化試合を観戦したら
侍ジャパンへの応援がすばらしいものとなることを願っています。

次回はチェコ代表選手たちについてもう少し掘り下げてみたいと思います。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

 

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